空と海と  その1(三教指帰)

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<遣唐船の復元模型>



仏教経典の中に、度々出てくる用語がある、、、、、、

「波羅密多(はらみった)」
これは修業の基本項目を指す、、、六波羅密は次のとおり

①布施(ふせ)
②持戒(じかい)
③忍辱(にんにく)
④精進(しょうじん)
⑤禅定(ぜんじょう)
⑥般若(はんにゃ)

では、、、、、「波羅密多」という漢字から、その用語の意味を理解できるだろうか、、
また、「般若」という漢字から、、、、その意味を解釈できるだろうか、、、

幼少の頃から、漢字をすらすら読めたと言われる、空海であるが、漢字の知識だけでは、仏法を理解できないことは知っていた、、、

「波羅密多」は梵語の「パーラミター」を音写したものであり、、、
「般若」は、パーリ語の「パンニャー」である、、、、

ひたすら、読経、写経、暗誦する基本修業だけの独学では、どうしても仏典は読みこなせないのである、、、
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そして、少年が、始めて梵語に出会った時、、、その好奇心は、いやでも高まった、、。
この、不思議な文字に、天竺を観じ、、、
「空と海の果てに、、仏法の源流がある、、」と感じた、、であろう。

サンスクリットを学ぶことは、仏陀に近づくこと、、、そう、少年の心を捉えてしまったのだ、、、と思う。
この頃、まだ、、大日経にも出会っていない、、、。


※般若波羅蜜多;パンニャーパーラミッタ))とは、、直訳すれば「究極の知恵」と言う意味である。

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①般若(はんにゃ、サンスクリット語: प्रज्ञा, prajñā,プラジュニャー; パーリ語: पञ्ञा, paJJaa,パンニャー、漢訳音写:斑若、鉢若、般羅若、鉢羅枳嬢など)は、一般には智慧といい、仏教におけるいろいろの修行の結果として得られた「さとり」の智慧をいう。ことに、大乗仏教が起こってからは、般若は大乗仏教の特質を示す意味で用いられ、諸法の実相である空と相応する智慧として強調されてきた
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②一方、言語学的に支持されているのは、Pāramitā を、"pārami"(<parama 最高の)+ "tā"(状態)と分解する説で、「究極最高であること」「完成態」と解釈すべきとしている。
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※①+②から般若経(大般若波羅蜜多経)とは、、、、「最高の知恵の教え」とすべきか

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※参考 パーリ語入門
http://www.manduuka.net/pali/basic/index.cgi?no=2
<ちなみに、、上の文字は「こんにちわ 理想 アダム」です>
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※Wikipedia

音写と五種不翻

なお、仏典を翻訳する際にいくつかの理由から漢文に訳さず、梵語の音をそのまま漢字に写した、音写(おんしゃ)という技法が用いられた。音写は今日において外来語をカタカナ表記にするのと似たような技法である。しかし、玄奘は一部の梵語を漢訳せず音写したことについて、五種不翻(ごしゅふほん)という5つの理由を挙げている。また玄奘以降の訳僧もこれらの理由から音写を用いたと考えられる。五種不翻の理由は以下の通り。

順古故(じゅんここ)
- 古例という既にあった方法にしたがい翻訳せず。中国仏教の源流を開いた摩騰迦(まとうが)や竺法蘭の時代よりの慣わしにより、すでに衆人によりその意味が知られていたもの。たとえば阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい、略して阿耨菩提)などの語類がこれにあたる。

秘密故(ひみつこ)
- 甚深微妙で不可思議なる仏の秘密語であるがゆえに翻訳せず。たとえば、般若心経の最後の一節「羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶」のような真言・陀羅尼などの語類がこれにあたる。

多含故(たごんこ)
- 多くの義を含むがゆえに翻訳せず。たとえば、自在・熾盛・端厳・名称・吉祥・尊貴という六義(6つの義・意味)という複数の意味を含む婆伽婆・薄伽梵(バギャバ・バガボン=バガヴァート、世尊と訳す場合もある)などの語類がこれにあたる。

此方無故(しほうむこ)
- この地方(中国)にない意味や言葉であるがゆえに翻訳せず。たとえば、閻浮樹(えんぶじゅ、閻浮提にあるという想像上の大森林)、乾闥婆(けんだつば)、迦楼羅(かるら)などの語類がこれにあたる。

尊重故(そんちょうこ)
- 善を生ぜんがために翻訳せず。たとえば、般若や仏陀のように、これを聞いた者は心に信念を生じるが、もし般若を知恵と、仏陀を覚者などと単純安易に訳せば、浅はかに軽んじられることが免れず、敬心を保つことが難しい語類がこれにあたる

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空海の生家の跡地に建った善通寺には、母親が書いたと言う法華経の写経が残っており、、、空海が幼少のころは、大乗仏教の教科書的な法華経は、豪族あれば、全巻保有していてもおかしくないという、、、

このころ未だ密教は知られていない、、、

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<2010.12.26 この日の善通寺は人も少なく、寒かった>


空海は、地元讃岐から大きな期待をかけられて15歳のときに都にのぼる、、、
神童と謳われた空海は、母方のおじにあたる阿刀大足(あとのおおたり)の勧めで18歳のときに大学寮の「明経科」に入学する、、中央貴族でなかった讃岐佐伯一族としては、この天才をもって中央高官への道をつなげることが、願いでもあった、、、、

「明経科」は、行政科である、、、高等官養成所としての基幹学科である、、、、このコースは、創造性ではなく、教科書を暗誦することが多い、、周易、尚書、周礼、儀礼、礼記、毛詩、春秋左記伝、考書、論語などが経科だそうで、詳しくは調べなくとも、面白くなさそうな学問には思える、、、、

がっかりした空海は、二十歳で、さっさと中退してしまう、、、、、、しかし世話になった叔父に説明する必要がある、、、
「不忠である、、、」と叔父は言う、、、

そこで空海は「三教指帰(さんごうしいき)という戯曲のような本を書いて説明する、、、。

本文は亀毛先生と言う儒学者が登場し、儒学の意義を語り、「儒学」の尊さを語る、、続いて虚亡隠士という「道教」の仙人が現れる、、神仙術が儒学よりはるかに奥深い教えであると述べる、、、そして最後に、仮名乞児というボロボロの修験者のごとき若者が登場して、「仏教」の教えの尊さを語る、、、

道教が儒教に優れ、、しかる後、仏教が道教に優ることを語りかけるのである、、、
ボロボロの衣服をまとった青年、、、これは空海自身であることは明らかだ、、、、
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※「三教指帰」については、、、司馬遼太郎の「空海の風景」での説明が詳細だ、、

まず、登場人物の不良青年「蛭牙公子」のモデルは、、、空海の甥である
学校に通ってはいるが、狩りやバクチ、酒色にふけるヤクザな奴で、学校に行くとアクビばかり、悪かしこいウサギが物陰で居眠りのみしてるありさまだ、、と空海は書く、、

<しかし、、現在の学生でも多くみるようですが、、、>

そして、戯曲の中の「蛭牙公子」は色情の徒である、、
娼家に行けば猿の如く騒ぎ、美醜の見境なく女と見れば、追っかける、、、叔父の兎角公が持て余し、、、
「亀毛先生」に説諭を頼むところから、、戯曲の第一幕が上るのです、、、

儒学の「亀毛先生」のモデルは、叔父の阿刀大足らしい、、
「亀毛先生は、容姿がいかつく、姿が堂々としている。生まれつき雄弁で、儒学の経典に精通している」と戯曲でいう、、、

司馬遼太郎は、空海という健康な青年が、当然、性の問題で悩んでいたと、、書いている、、そして、、儒教も、大学も全く回答が用意されていないこと、、当時も医学あり、哲学ありだが、、それは、性を単に五臓六腑として見ており、、浮世のまやかしであると、、宇宙の真理からすれば、なんと残薄なことか、、と空海は思う、、のだ、、。

<以降は、略すが、、、おもしろすぎる、、、>

空海は、18歳でこの戯曲を書き、24歳で修稿したという、、、
そのとき「三八の春秋を経たり」とこの書に記したので、24歳の著作であることがわかる、、

この書を叔父に届けると、、、いずこともなく、姿を消すのである、、、、

やがて、、
空海は三十歳を越えるころ、新たな首都「平安京」に突然に姿を現し、、、遣唐船への乗船を申し出るのである、、。

従って、この間の空白の期間は、七年に及ぶ、、、、、、



拙者 参考blog「サンスクリット」
http://tokatu1.at.webry.info/200912/article_5.html



空と海と   その4(mantra  )
http://tokatu1.at.webry.info/201102/article_3.html

空と海と  その3( 長安)
http://tokatu1.at.webry.info/201101/article_9.html

空と海と   その2(桓武天皇)
http://tokatu1.at.webry.info/201101/article_7.html

空と海と  その1(三教指帰)
http://tokatu1.at.webry.info/201101/article_6.html



--------------この文章は書きかけです-------------







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